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職業やおい人(?)金田淳子氏の書いた、前エントリーのユリイカ収録記事。その名も「D/J ジョジョの奇妙な構造と力」です。
第一印象は「狂った状態で安定した妄想」という感じでした。作品に対する見方があきらかに荒木先生の意図せざるところなんだけど、それはそれで理路整然としているという。本当は「D×J」ってしたかったんだろうな~。
印象に残った点だけぱぱっとまとめます。

******

内容はジョジョよりもディオに対する記述のほうがウェイト重いです。ていうかディオ論です。「ジョジョはディオなんだよ!」ということだと思ってください。
さて、さっそく金田氏によるディオへのアプローチが始まります。(以下、太字は管理人による)

P112
対照的な二人であるが、本来、読者の同情が集まるであろう悲惨な環境に配置されているのは、その後の『ジョジョの奇妙な冒険』の一大サーガを通じて最大の敵となる、ディオのほうだ。

ここで金田氏はヴィクトリア時代における身分制度の開放や、都市労働者たちの上昇志向がまたディオにもあったのだと指摘。
そして知識吸収によってジョースター家のっとりを画策するディオをこう評しています。

P113
読書、すなわち知識を得ることは、彼にとっては娯楽ではなく成功するための地道な練磨であり、同時に自らの生まれた労働者階級、とりわけ無学な父親に対する拒絶の身ぶりである。

この「父親に対する拒絶の身ぶり」は重要なポイントです。すくなくとも金田氏にとってはめっちゃ重要なはずです。
ディオが父親を嫌悪していることは読者もよく知るところですが、ここからやおいにつなげていくところが金田氏の手腕(というかこじつけ?)です。この点に普通にジョジョを読んでる限りでは得られない、歪んだリビドーを彼女に感じる所以でもあります。

P116
穿った見方をすれば、ジョジョは自らにさまざまなモノを与えてくれる父親や師や仲間(男)に対して同一化しているが、ディオは自らと同様に奪われつくした母親(女)に対して同一化しているのだ。
それまで女性にまったく興味を示さなかったディオが、瀕死になったとき唐突に「人間生命エネルギーが必要だ…女がいい…若い新鮮な女の生気を吸い取らねば…」と女性の血を欲するのは、ヘテロな性的欲望よ言うよりむしろ同一化の欲望だと解釈できる。

ああ、穿った見方ってのは自覚があったんだな、と少し安心したんですが、それはいいとして「ディオは女と同一化したがってる」という記述は驚きました。
やおいには相変わらず詳しくはありませんが、この世界に浸っている人は男性キャラが女性キャラを好きになったり、あるいはその逆があったりという描写がやおいのなかに現れるのを嫌うといったことを聞いたことがあります。
つまり美しい男は美しい男と絡んでいて欲しいので、こっち(女)に意識を向けるんじゃねえということなんでしょうか。
と、考えると、「ディオは女とセックスしたいんじゃなくて、女そのものになりたいんだよ!(な、なんだってーっ)」という設定は腐った人々からすれば実にウハウハなシチュエーションなんでしょうね(なんでしょうか)。
父親への嫌悪は男への嫌悪であり、母への同情は女への同一願望だ!だからディオはジョナサンだっていけるんだ!という金田氏の主張がビンビン伝わってきます。
事実、ディオには3部で「男とは思えない妖艶さ」とかいう形容もありますし、荒木先生も金田氏との対談で「ディオは男も女もどっちもいける」みたいなこといっちゃったせいで、淳子タソかなり調子づいてんなあという気がしました。なんでもっと早くこの雑誌買わなかったんだろ。

******

とにかくこの記事で伝わってくるのは「ディオ×ジョナサンは正しいカップリングなんです」「あと、『ジョジョ』の真の主役はディオです」という金田淳子流「俺ジョジョ」の叫びです。
第一部の主人公が事実上ディオであることは、読んだ多くの人が感じることだと思うし荒木先生も認めるところなのでいいとして、それを学術的にやおいへリンクさせるのが凄いです。というかあなたは色々なものを物色しすぎです。
この直後にジョジョ立ち記事を担当しているカジポン氏は「テレビのキャスターが「天気は徐々に回復し…」等と言えば即座に「今ジョジョって言った!」画面にツッコミを入れる日々を送ってきた。」と告白しているのですが、この手の熱狂的な人々は何を見ても自分の好きな分野とそれをリンクさせる能力に長けているのでしょう。余談ですが、金田氏が狂った状態で安定しているならカジポン氏は過剰な状態で安定しているというのが第一印象でした。

個人的には金田氏みたいに穿った見方を本気でやってる人は好きなので構いませんが、敬虔というかカタブツのジョジョラーからは毛嫌いされることうけあいでしょう。こういう人こそブログで日々劣情をぶちまければいいのになあ。だって東大の大学院まで出て荒木御大に「ディオは貧民街で大勢の男に慰みモノにされてきた」と面と向かって言う狂人が世の中に何人います?
「作者に対して妄想を持ち込むこと」も「やおい方面から語ること」も何も悪いことじゃないですけど、荒木先生より大量に腐った妄想を喋り倒す金田淳子氏はいろいろな意味で普通じゃないです。あの鼎談で悪かったのは金田氏が冷静にジョジョを分析したり荒木氏の言を引っ張り出せなかったことであって、やおいとしてのジョジョ論は狂ってるわけじゃないですから(私は狂ってるだのなんだの言っちゃったけど)。
事実、この「D/J」も普通に冷静だし面白いんですよ。amazonのチラシの裏なんて気にせずに金田氏はこれからもどんどんジョジョを愛して欲しいものです。

******

話変わりますけど、最近オウムのアニメとかザイン帝国の動画とか大神源太のユニバGとかいろいろ見て飽きてきたんですが、他にカルト教の動画ってないですかね?
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