荒山小説を読んで殊勝にも小説熱を帯びたミギレキはさっそくシグルイの原作、
『駿河城御前試合』に手をつけ始めたのだった…
******
「ごめんで済むなら警察は要らない」
という言葉がありますが、言い換えれば
「ごめんで済むなら御前試合は要らない」
という世界です。
つまり謝っても済まないし
警察とか裁判所みたいな公正な審議をする組織もない、
殺意がそのままぶつかりあう恐怖と残酷を
ものすごく淡々と、明晰に描いているという印象でした。
試合自体は一瞬で、むしろそこに至るまでの過程が無駄なく描かれており、
話のキツさとは裏腹に実に読みやすい。
肉を食わせた後のデザートにさらに肉を出すような
『シグルイ』を読んでいると、
原作は簡素だからこその鮮烈な残酷を感じました。
クリーンヒットがパカパカ続く感覚でどんどん読み進めています。
とはいえ正直な感想「武士に生まれなくてよかったなあ」
とは思いましたが。(←ふぬけ
******
だってほとんど全編意地と女を賭けた殺し合いなんですよ。
で、あんまりに残酷だと逆に滑稽に見えたりもするんですよね。
たとえば不殺を己に誓い、手中で刀を反転させ、
自動的に峰打ちができるようなった武士が、
試合当日に「万一失敗しちゃいけないから」
と最初から峰打ちで握ったら
いつもの癖で刀が反転してあいて斬っちゃったとか。
あるいは幼少のころからの友達に
(たまたま自分の刀がショボかったから)試し切りで負けたり
(たまたまタッチの差で)好きな女を取られたり
(たまたま居合わせただけで)口説こうと思っていた女を取られたり
(たまたまこれも居合わせただけで)斬ろうとおもっていた狼藉者を斬られたり
とかそういう勘違いで果たし状を叩きつけるっていうのもあって。
正直武士ってキレたらマジでめーわくな人種だなあと思いました。
やっぱ男のマッチョイズムだけで世の中動かしたら大変なことになりますね。
このあたりを三谷幸喜が監督したら
武士道をコケにして笑うコメディができそうですけど。
『駿河城御前試合』に手をつけ始めたのだった…
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「ごめんで済むなら警察は要らない」
という言葉がありますが、言い換えれば
「ごめんで済むなら御前試合は要らない」
という世界です。
つまり謝っても済まないし
警察とか裁判所みたいな公正な審議をする組織もない、
殺意がそのままぶつかりあう恐怖と残酷を
ものすごく淡々と、明晰に描いているという印象でした。
試合自体は一瞬で、むしろそこに至るまでの過程が無駄なく描かれており、
話のキツさとは裏腹に実に読みやすい。
肉を食わせた後のデザートにさらに肉を出すような
『シグルイ』を読んでいると、
原作は簡素だからこその鮮烈な残酷を感じました。
クリーンヒットがパカパカ続く感覚でどんどん読み進めています。
とはいえ正直な感想「武士に生まれなくてよかったなあ」
とは思いましたが。(←ふぬけ
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だってほとんど全編意地と女を賭けた殺し合いなんですよ。
で、あんまりに残酷だと逆に滑稽に見えたりもするんですよね。
たとえば不殺を己に誓い、手中で刀を反転させ、
自動的に峰打ちができるようなった武士が、
試合当日に「万一失敗しちゃいけないから」
と最初から峰打ちで握ったら
いつもの癖で刀が反転してあいて斬っちゃったとか。
あるいは幼少のころからの友達に
(たまたま自分の刀がショボかったから)試し切りで負けたり
(たまたまタッチの差で)好きな女を取られたり
(たまたま居合わせただけで)口説こうと思っていた女を取られたり
(たまたまこれも居合わせただけで)斬ろうとおもっていた狼藉者を斬られたり
とかそういう勘違いで果たし状を叩きつけるっていうのもあって。
正直武士ってキレたらマジでめーわくな人種だなあと思いました。
やっぱ男のマッチョイズムだけで世の中動かしたら大変なことになりますね。
このあたりを三谷幸喜が監督したら
武士道をコケにして笑うコメディができそうですけど。
「十兵衛両断」読了。
妄想爆発を職業にした荒山先生の見事さ。
とくに表題作の『十兵衛両断』その正統の続編『剣法正宗遡源』が凄い。
ボディチェンジというドラゴンボール張りのネタをここまで膨らませるとは…
とくに『剣法正宗遡源』が黒い。
荒山先生あまりに黒い。
イル且つデーモンな黒さ。
直接的には集団処刑の無残さが黒いんですが、
あれほど愛したであろう柳生十兵衛にこういう役回りまでさせるとは…
「柳生十兵衛三度死す」のコピーの真意を知ったときは震えた。
それにしても深い知識と筆力による詐欺に騙されるこの快感!
あまりに綿密でマジな妄想、大法螺、捏造の数々…
翼竜と戦う柳生友景がうさぎのスタンドを出して空を飛ぶシーンはもはや感動です。
(ホントにそんなシーンがあるんです)
なんというか気になる作家が増えました。
妄想爆発を職業にした荒山先生の見事さ。
とくに表題作の『十兵衛両断』その正統の続編『剣法正宗遡源』が凄い。
ボディチェンジというドラゴンボール張りのネタをここまで膨らませるとは…
とくに『剣法正宗遡源』が黒い。
荒山先生あまりに黒い。
イル且つデーモンな黒さ。
直接的には集団処刑の無残さが黒いんですが、
あれほど愛したであろう柳生十兵衛にこういう役回りまでさせるとは…
「柳生十兵衛三度死す」のコピーの真意を知ったときは震えた。
それにしても深い知識と筆力による詐欺に騙されるこの快感!
あまりに綿密でマジな妄想、大法螺、捏造の数々…
翼竜と戦う柳生友景がうさぎのスタンドを出して空を飛ぶシーンはもはや感動です。
(ホントにそんなシーンがあるんです)
なんというか気になる作家が増えました。