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すみません。
二日前に「十兵衛両断」を買いなさいとか
ニヤニヤしながら読みたいとか言いましたよね。
訂正します。
時間と労力と金とIQを無駄にしたくなければ、買うな!
もう笑う余裕がないです。お口アングリです。新潮文庫で出していいのかこれほんとに。

******

というのも三つ目の短編「陰陽師・坂崎出羽守」を読んだから。
ありえない。ぶっちゃけ狂ってる…
簡単なネタバレをしておくと(以下、選択で反転)

「坂崎出羽守は韓人でしかも陰陽師」
(↑また実は韓人だったネタか!)
(↑この根拠がまたしても黄算哲教授…オーマイガッ)
「柳生宗矩のコピーが作られる」
(↑しかも三体。十兵衛両断どころじゃない)
(↑コピーにはそれぞれ、『贋造一号』『二号』『三号』などと
頭の痛くなるような名前がついている)
「最後には最強の陰陽師剣士『柳生友景』登場。事件解決」
(↑しかも炎のドラゴンを呼び出して剣にまとわせ、敵を葬る)
(↑どこの召喚師だよ!)
(↑もはや比古清十郎とかそのレベルで強い)


朝鮮妖術師!ああ!朝鮮!陰陽師!柳生ゥゥゥウウー
(眩暈のあまり倒れこむの図)
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十兵衛両断と一緒にホリラン16巻も買ってました。

******


この16巻なかなか面白い。本誌で読みましたけどこの辺面白いです。

ホリランが面白くなるためには
①神代ユウが容赦なく他人を破壊する
②八木がノリノリで暗躍する
③ナレーションがうるさくなる
の三要件が必要だと当サイトは主張しますが、
16巻の前半はまさにそれですね。
ユウが容赦なく他人を殴打し、
おびえる八木はしかるべき解説を吐きながら
ユウが戦うための次のステージを段取る。
ナレーションも必殺ワード「作者も」まで使っちゃってるし。
森先生のオレ世界を感じます。
ドラッグ編に入ってからホリランは完全にバトル漫画化しましたね。
リアル漫画じゃなくてバトル漫画。
(いや、それ以前からリアルじゃなかったろ、というツッコミも当然アリですが)
私はひとつの漫画を読むときも複数の物差しを使うことで
楽しみは増すという考えで読んでるので、
なかなかこの現状は好きです。

******

前述に「16巻の前半は」って書きましたけど、
正直後半は三要件がなくなって普通ならそこまで燃えないんですよ。
にもかかわらず面白いのは
森先生が「最終回間近になってはじめて使えるイベント」を
ところどころで発生させてるからです。

******

ひとつずつ説明しましょうね。
まずは「土屋先輩ダメキャラ脱却」です。
土屋といえば段取り以外に能のない噛ませであり
解説にもなりきれない実況なんですが、
それゆえに彼はドジっ子萌え的な魅力を常にまとっていました。
特にあのマッスルコアラネタには作者の異常な愛を感じます。
ところが最近になって猪俣兄弟に勝つわ、
マサキとタッグで「最強コンビ」とまで言われるわ、
「売人を潰して回るより神代を先に押さえた方がいいな」
などと知的発言はかますわ、
ユウからは「一流の怖さがある」とまで言われるわで
まさに土屋の土屋たる要件を脱却してまでカッコイイ奴になってしまった。
実に愉快です。

二番目は「八木最後の輝き」です。
本誌を読んでたから知ってるんですけど17巻で八木の生命は終わります。
それにそなえてか、16巻の八木は恐ろしいほどの店じまいセールを始めているんですね。
彼れほど神代ユウの強さを的確に表現できる解説屋はいないんじゃないでしょうか?
以下、八木のセリフから引用。

「あいつ…!あいつは…違うんだ…どのくらい強いとか
そんなんじゃねえ…何か根本的に違う」
「神代を相手に遊ぼうってのがそもそも間違いだ…」

神代ユウの怖さは根本的なレベルで、
格闘技ができるとかそういうことではなくて
「相手か自分が死ぬまでやめない」というブレーキの無さにあるところは間違いないわけで
それを的確に解説する八木こそユウの真の理解者といえます。
これまでにしたって、ユウがさらなる狂気のステップをあがる度に
八木は踏み台としての役割を果たしてきました。
最初に殴られたのだって彼だし。
その彼が最後の賭けと称してユウに挑む姿は健気というか、
やられ役の仕事全うする最期の輝きがあるわけです。
とくに「ゴオォォォォォ…」という擬態とともに
八木の目がアップになるコマは笑いました。
しかも夜景と融合してるんですよ。これ。
(ちなみに、八木様はつい最近崩御なされました。合掌)

三つ目はなんといっても
「きさま…拳法使いか!!!!」でしょ。
とうとう森先生も中国拳法の領域にたどり着いたか…
と感慨深く思います。
この間ナレーションが完全沈黙してるのが印象的です。
あらゆる妄想を駆使しながらもとりあえず「リアル系」を建前としてきたホリランが
とうとうバトル漫画の行き着く最後の漂流地「中国拳法」を実践してしまったわけです。
キングとのラストバトルで森先生がどういうナレをつけるのか実に楽しみ。
それは小説と言うには
あまりにも妄想すぎた
嘘くさくキナ臭く厄く
そして大法螺すぎた
それはまさに捏造だった

******


現在荒山徹作「十兵衛両断」を読み進めています。

まだ表題作を読んだきりですが、ひどく面白かったのでたまらず感想を。
「ぶっちゃけありえねえ」
「これ書いた人キ○ガイなんじゃないの?」
「ていうかどこの星と交信してたの?」

******

ネット上で「荒山徹というとてつもない奇才がいる」という風評を聞くにつれ
氏への興味をつよく掻き立てられていたのですが、
書店で新潮文庫コーナーにて「十兵衛両断」を発見し即購入。
まだ最初の一篇しか読んでませんけど、間違いなく言えます。
「本屋に行ったら新潮文庫のコーナーに行き、『十兵衛両断』をもってレジに行きなさい」

******

ドラゴンボールに「チェンジ」ってあったじゃないですか。心が入れ替わるヤツ。
あれをやっちゃうんです。時代劇で。
つまり、朝鮮妖術師と柳生十兵衛の魂が入れ替わっちゃう。
HAHAHA!この時点で荒山氏が作家として重要なタガが外れてしまった狂人だという気がしてきませんか。
しかも朝鮮には朝鮮で朝鮮柳生って言うのがあるんだって!
朝鮮で妖術で柳生!このあまりの強引且つ不自然な組み合わせ!
作者の荒山徹氏ってまちがいなく一万年と二千年前から朝鮮と柳生を愛していて
八千年過ぎたあたりからそれが性欲に変わったとしか思えませんよ。
しかも恐るべき捏造!
ナレーションで「十兵衛二人説を支持する識者に黄算哲教授がいる」とか書いてるんだけど、
「黄算哲」などという教授はこの世に存在しない!!(プギャー
ナレーションがウソついてどうすんの?!
「剣道の起源が朝鮮だというのは捏造」とか言っちゃってるあんたが捏造してどうすんだよ、と。
小説家ってかなりヤクザな仕事だと思いますけど、その中でも荒山氏は相当のヤクザですよ。
ごくごく平然とウソとハッタリを語ってくるわけです。真顔で。
間違いなく老人共に訪問販売をして怪しげな壷を売りつける才能があるねこの人。
歴史的資料としての価値はもちろんゼロだと思います。

******

ところが困ったことに面白いかどうかというと
間違いなく面白いんですよ。
荒山氏には好きなものだけ書いてそれで話を作ってしまう、特異なスキルがあるように思えます。
こういう折衷作品ってこれまでも沢山ありました。
たとえばメイドと刑事モノを組み合わせたり
お色気と料理を組み合わせたりとか
そういう「何かを折衷することで新しさを生み出そうとする試み」が。
でもその大半は失敗に終わってますよね?

荒山氏はそれがうまい。
おそらくこの人には好きな要素を自身のその劣情によって
有機的に融合させ娯楽として提供する才能があります。
だって表題作の『十兵衛両断』なんかすごいですよ。
朝鮮と柳生と妖術が朝鮮史と疋田流と柳生流をバックボーンに、
きちんと物語として完結してるんですから。
(かなり斜め上をいく結末ですけど)
今すぐチャンピオンREDで漫画化するなり
二時間の映画化するなり
これをもとに長編を書くなりできるくらいの濃度です。

『朝鮮への欲情と柳生への偏愛からなる作家としての地力を、
法螺とハッタリによって誤射して暴発する奇才』
それが現在の私の荒山氏に対する印象です。
残りの作品がまだまだマユツバ級にうさんくさいらしいので(笑)
ニヤニヤ楽しみながら読んでいこうと思ってます。
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