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それは小説と言うには
あまりにも妄想すぎた
嘘くさくキナ臭く厄く
そして大法螺すぎた
それはまさに捏造だった

******


現在荒山徹作「十兵衛両断」を読み進めています。

まだ表題作を読んだきりですが、ひどく面白かったのでたまらず感想を。
「ぶっちゃけありえねえ」
「これ書いた人キ○ガイなんじゃないの?」
「ていうかどこの星と交信してたの?」

******

ネット上で「荒山徹というとてつもない奇才がいる」という風評を聞くにつれ
氏への興味をつよく掻き立てられていたのですが、
書店で新潮文庫コーナーにて「十兵衛両断」を発見し即購入。
まだ最初の一篇しか読んでませんけど、間違いなく言えます。
「本屋に行ったら新潮文庫のコーナーに行き、『十兵衛両断』をもってレジに行きなさい」

******

ドラゴンボールに「チェンジ」ってあったじゃないですか。心が入れ替わるヤツ。
あれをやっちゃうんです。時代劇で。
つまり、朝鮮妖術師と柳生十兵衛の魂が入れ替わっちゃう。
HAHAHA!この時点で荒山氏が作家として重要なタガが外れてしまった狂人だという気がしてきませんか。
しかも朝鮮には朝鮮で朝鮮柳生って言うのがあるんだって!
朝鮮で妖術で柳生!このあまりの強引且つ不自然な組み合わせ!
作者の荒山徹氏ってまちがいなく一万年と二千年前から朝鮮と柳生を愛していて
八千年過ぎたあたりからそれが性欲に変わったとしか思えませんよ。
しかも恐るべき捏造!
ナレーションで「十兵衛二人説を支持する識者に黄算哲教授がいる」とか書いてるんだけど、
「黄算哲」などという教授はこの世に存在しない!!(プギャー
ナレーションがウソついてどうすんの?!
「剣道の起源が朝鮮だというのは捏造」とか言っちゃってるあんたが捏造してどうすんだよ、と。
小説家ってかなりヤクザな仕事だと思いますけど、その中でも荒山氏は相当のヤクザですよ。
ごくごく平然とウソとハッタリを語ってくるわけです。真顔で。
間違いなく老人共に訪問販売をして怪しげな壷を売りつける才能があるねこの人。
歴史的資料としての価値はもちろんゼロだと思います。

******

ところが困ったことに面白いかどうかというと
間違いなく面白いんですよ。
荒山氏には好きなものだけ書いてそれで話を作ってしまう、特異なスキルがあるように思えます。
こういう折衷作品ってこれまでも沢山ありました。
たとえばメイドと刑事モノを組み合わせたり
お色気と料理を組み合わせたりとか
そういう「何かを折衷することで新しさを生み出そうとする試み」が。
でもその大半は失敗に終わってますよね?

荒山氏はそれがうまい。
おそらくこの人には好きな要素を自身のその劣情によって
有機的に融合させ娯楽として提供する才能があります。
だって表題作の『十兵衛両断』なんかすごいですよ。
朝鮮と柳生と妖術が朝鮮史と疋田流と柳生流をバックボーンに、
きちんと物語として完結してるんですから。
(かなり斜め上をいく結末ですけど)
今すぐチャンピオンREDで漫画化するなり
二時間の映画化するなり
これをもとに長編を書くなりできるくらいの濃度です。

『朝鮮への欲情と柳生への偏愛からなる作家としての地力を、
法螺とハッタリによって誤射して暴発する奇才』
それが現在の私の荒山氏に対する印象です。
残りの作品がまだまだマユツバ級にうさんくさいらしいので(笑)
ニヤニヤ楽しみながら読んでいこうと思ってます。
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